日金ブログWEBLOG

201711/04

品質管理と不正の関係とは?

こんにちは。
先日は、寒いと言っていたブログ担当ですが、11月になってまたまた暖かくなった東京日金本社です。
季節の変わり目なのはわかっていますが、こんなにも気温変化が激しいと季節感が無くなりますね。
ついこの前までは、そろそろダウンジャケットを着ようかと考えるときもありましたが、昨日今日の陽気は半袖でもいけるんじゃないの?って感じです ^^;
もうすぐ寒くなるのでしょうが、すっかり気持ちが緩んでいますので風邪ひかないように気をつけたいですね。

さて、最近のニュースですが、大手金属メーカーのデータ改ざんが日常的に行われていたとのことで信用に大きく傷をつけてしまった。
ここまで長年にわたって不正改ざんを続けってしまった背景を考えると、金属リサイクルにも影響を及ぼす問題だと思います。
不正を知りつつメーカー側が出荷し続けた事は良い事ではありません。
ですが、データが少し違っても、品質には何ら問題は無いとの判断が問題の根を深くしてしまいました。
金属製品はJIS規格において厳しく成分が規定されています。
例えば、この機械のこの部品にはこの成分の金属製品を使用することを規格とするように、金属の合金特性を利用して、その部品に対して適正の高い合金を生み出して来ました。
現代においては、その品質基準もさらに厳しいものになり、規格も細分化されています。
日本の高度経済成長期においては使用される金属の種類も多岐にわたりいろいろな合金が生産されました。
銅とアルミと言えば、分類しているように聞こえますが、私たちの周りで使用されている機械などの部品のほとんどが、純粋な銅ではありません。
最も純な銅に近いものは、家庭でも使われる電線です。
差し込み口や延長コードなどの線の部分の中身です。
生活には、その他に水道の蛇口であったり、または車であったり・・・。
ほとんどが金属特性を生かした合金の集まりです。
銅の特性は電気と熱の伝導性に優れる事。
亜鉛は金属を固くすることに優れ、防錆効果もある。
鉛は金属を脆くする性質があり合金することで切削しやすい金属になる。
アルミを合金すれば、海水に対する耐性が上がり、軽量化され、さらに強度が増す。
少しだけ例を挙げましたが、さまざまな特性を持っているのが金属です。
金属には相性があり、ただ混ぜれば良いというわけではありませんが、その特性を利用して、使用したい部品に適合するような合金を製造しています。
ですが、天候や気温によっても成分調整が難しいと言われるほど、製品の品質管理はシビアになっています。
さらに規格が厳格なものであればあるほど、『品質要求は満たしている』との判断が横行してしまった原因と考えています。
現場判断が製品品質に優先したとも言えますが、合金の規格をコンマゼロ以下まで厳格に規格しても現場でジャストに製造することは非常に難しいと想像しますが、実際にはどうでしょうか。
私たち、金属リサイクルの立場で言えば、品質要求が厳しい事には対応しなければいけませんが、いろいろな原料を扱う中で厳格な規格を守れるのは極一部の商品になるでしょう。
いろいろな種類があるが、全体としてある程度の成分範囲に原料を合わせるべく選別加工するのが私たちの仕事とも言えます。
品質を越えた規格の厳しさが存在するのかと考えてしまうのは素人考えでしょうか。
ある程度の誤差範囲の設定できる商品も多いように思うのですが・・・。
厳格な規格に合わせるならば、不安定な成分混入の可能性がある金属スクラップの使用を控えるかも知れません。
大袈裟に言えば、規格要求が金属リサイクルを停滞させることもあり得る。
悪い原料を使えというのではなく、使える物を有効に使ってほしい。
スクラップの品質管理は徹底的にやりますが、あまりに厳しすぎる規格要求は品質を置き去りにしているようにも思います。
大事な事は、規格よりも環境に負荷をかけないリサイクルの推進です。
それには、品質を担保できる成分誤差範囲の設定が必要かも知れません。
今回のニュースの行方を見ていきたいと思います。

自分が思うがまま書いていますが、果たしてこの考えが合っているかどうかは分かりません。
ただ、金属リサイクル業の立場考えると、そう感じるのです。
たまには、酒の話しじゃないブログ担当もいるのですよ(笑)
長々と失礼しました。
ではっ。